少年と犬

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「犬が人に拾われたのか、人が犬に拾われたのか」

直木賞受賞作、
馳星周「少年と犬」

心を打たれた。

タイトルが「少年と犬」だが「男と犬」という章から始まるソウルフルな物語だ。
男に拾われた犬の多聞(たもん)が、
「泥棒」
「夫婦」
「娼婦」
「老人」
と出逢い、別れ、
「少年」にたどり着く。

最後は、別れないのだろうと思いきや・・・。

宮城から熊本までをまたにかけた多聞の旅の背景にある自然災害と人間模様。
一匹の犬を通して、ここまでたくさんのテーマを描いているのは、奇跡に近い。

「吾輩は猫である」は猫の視点からみた人間を描く古典的作品で、
「忠犬ハチ公」は、犬と人間の深い絆を見事に描き出しているが、
「少年と犬」はどちらをも超越したスケール感があり、胸を打つ。

本書の帯にある
「人という愚かな種のために、神が遣わした贈り物」
という行も素晴らしい。
ぜひ、ご一読を!

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